現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 実力だけでなく価格もお高め プジョーe-208 51KWHへ試乗 新ユニットで158psと399km獲得

ここから本文です

実力だけでなく価格もお高め プジョーe-208 51KWHへ試乗 新ユニットで158psと399km獲得

掲載
実力だけでなく価格もお高め プジョーe-208 51KWHへ試乗 新ユニットで158psと399km獲得

ル・マン・マシンを思わせるスリークロー

最近になって欧州を訪れたことがある読者なら、新しいプジョー208を頻繁に目撃したことだろう。この小さなハッチバックは、どんな街でも見かけるといっていい。実際、2022年の欧州では最も売れたクルマに輝いた。

【画像】実力だけでなく価格もお高め プジョーe-208 競合クラスの電動ハッチバックはコレ 全138枚

内燃エンジン版は、価格がお手頃。小さなサイズは、古い市街地にもぴったり。ストロングポイントが多いモデルだ。そんな208と、バッテリーEVのe-208がアップデートを受けた。

スタイリングでは、ひと回り大きなフロントグリルを獲得。バンパーの両サイドでは、ル・マン・マシンのプジョー9X8を思わせる、スリークローと呼ばれる3本のデイライトが灯る。精悍な顔つきになった。

インテリアでは、ダッシュボード上の10.0インチ・インフォテイメント用タッチモニターが標準装備に。システムの反応は素早く、メニュー構造がわかりやすく操作性は上々。欧州仕様のトムトムと呼ばれるカーナビも、直感的に目的地を設定できる。

アンドロイド・オートとアップル・カープレイにも対応。エアコンもタッチモニターで操作するのだが、温度設定などのボタンが小さく常時表示されるため、メニューを辿っていく必要は殆どないのも美点だろう。

新バッテリーとモーターで158psと399kmを獲得

そして、208シリーズのアップデートで最大のトピックが、新しいパワートレイン。内燃エンジン版では、1.0Lガソリンターボが電圧48Vのマイルド・ハイブリッドを獲得した。バッテリーEVのe-208では、駆動用モーターとバッテリーが更新されている。

従来のユニットと比較すると、駆動用モーターは135psから158psへ増強。駆動用バッテリーも、50kWhから51kWhへ僅かに容量が増やされた。航続距離は、362kmから399kmへ、1割ほど伸びてもいる。

今回試乗したのは、このバッテリーEVのe-208。ちなみに、従来の50kWhのバッテリーを指定することも可能だという。

電動パワートレインの印象は、選択したドライブモードによって大きく変化する。スポーツ・モード時は最高出力の158psが解き放たれ、アクセルペダルを6割ほど傾ければ、鋭い加速が始まる。0-100km/h加速は、8.2秒でこなせる。

ノーマル・モードではパワーが制限され、航続距離が伸びる。追い越し時などは、しっかりアクセルペダルを踏む必要が出てくる。エコ・モードは、エネルギー効率が最優先。加速は明らかに緩くなり、ドライバーには、ゆったりした気持ちも求められる。

シャシーは、ヘアピンカーブが連続する区間にも見事に対応。追加されたパワーを、フロントタイヤが受け止める。乾燥した路面の限り、停止状態からフルスロットルを与えても、トラクション・コントロールの警告灯が光ることは1度もなかった。

実力が高いことは間違いないが価格も高め

ステアリングホイールの反応はダイレクト。期待通り、手のひらへ自然なフィードバックが伝わってくる。ブレーキペダルのタッチも素晴らしい。狙った通りの制動力が、滑らかに立ち上がる。回生ブレーキとの協調も、しっかり取られているようだ。

他方、プジョーが提唱するiコクピットには、馴染めないドライバーもいるだろう。筆者の身長は173cmだが、メーター用モニターの表示をステアリングホイールの上からすべて見えるシートポジションは、最後まで見つからなかった。

座面を持ち上げると、ステアリングコラムが膝へ迫ってしまう。ステアリングホイールはチルトで下げられるものの、これも理想的な操舵には適さない。

荷室は高さ方向に大きく、容量は306L。ただし、内燃エンジン版の方が若干広い。充電ケーブルには専用のバッグが備わるが、荷室の床下へしまうことはできない。

英国価格は、試乗車のe-208 51KWH アリュールで3万4050ポンド(約630万円)から。兄弟モデルといえる、オペル・コルサ・エレクトリックの方が、同等の装備でも若干お安い。また内燃エンジンの208なら、1万ポンド(約185万円)もお手頃になる。

実力が高いことは間違いない。しかし、車内空間は広いとはいえず、少ない予算で選べる競合モデルも存在する。お値段や充電の手間を考えると、内燃エンジン版のように、e-208がベストセラー級の人気を得ることは難しいかもしれない。

◯:長めの現実的な航続距離 居心地の良いインテリア 動力性能と運転のしやすさ
△:高めの価格 すべての人に適するとは限らないiコクピット 狭めのリアシート

執筆: マレー・スカリオン(Murray Scullion)

プジョーe-208 51KWH アリュール(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万4050ポンド(約630万円)
全長:4055mm
全幅:1745mm
全高:1430mm
最高速度:149km/h
0-100km/h加速:8.2秒
航続距離:399km
電費:7.2km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1455kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:51.0kWh(実容量)
急速充電能力:100kW(DC)
最高出力:158ps
最大トルク:27.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

こんな記事も読まれています

三菱自動車、「ミニキャブトラック」を一部改良 仕様向上で最大23万円値上げ
三菱自動車、「ミニキャブトラック」を一部改良 仕様向上で最大23万円値上げ
日刊自動車新聞
スマートの電動SUVクーペ、「BRABUS」は428馬力…マレーシアで予約開始
スマートの電動SUVクーペ、「BRABUS」は428馬力…マレーシアで予約開始
レスポンス
F1に新規参戦したきゃ900億円以上用意しな! 次期コンコルド協定で新たな“希薄基金”設定か。参戦ハードルは高く
F1に新規参戦したきゃ900億円以上用意しな! 次期コンコルド協定で新たな“希薄基金”設定か。参戦ハードルは高く
motorsport.com 日本版
110万円! 三菱が新型「軽トラック」発表! “5MT”搭載&ワイルドな「新色グリーン」も設定! “低燃費×快適性”高めた「新・商用モデル」登場
110万円! 三菱が新型「軽トラック」発表! “5MT”搭載&ワイルドな「新色グリーン」も設定! “低燃費×快適性”高めた「新・商用モデル」登場
くるまのニュース
おしゃれで広くてシンプルだ! トヨタ ピクシスバンがベースの軽キャンパー
おしゃれで広くてシンプルだ! トヨタ ピクシスバンがベースの軽キャンパー
月刊自家用車WEB
【MotoGP第6戦カタルーニャGP】14位ゴールの中上貴晶選手は目標クリアのホンダ最上位。次戦はエアロをアップデート予定
【MotoGP第6戦カタルーニャGP】14位ゴールの中上貴晶選手は目標クリアのホンダ最上位。次戦はエアロをアップデート予定
バイクのニュース
「下関北九州道路」事業化なるか。関門海峡3本目となる道路のルート定まる。
「下関北九州道路」事業化なるか。関門海峡3本目となる道路のルート定まる。
くるくら
キャンパーたちのアウトドア系愛車スナップ #7 【ランドローバー ディフェンダー】
キャンパーたちのアウトドア系愛車スナップ #7 【ランドローバー ディフェンダー】
グーネット
ポルシェ911がアップグレードされてハイブリッドも登場。日本仕様は予約受注を開始
ポルシェ911がアップグレードされてハイブリッドも登場。日本仕様は予約受注を開始
Webモーターマガジン
アップル白井店オープン、千葉県内22店舗目
アップル白井店オープン、千葉県内22店舗目
レスポンス
スバル『フォレスター』、IIHS衝突試験で唯一の最高評価
スバル『フォレスター』、IIHS衝突試験で唯一の最高評価
レスポンス
6/15・16開催のキャンプイベント「The Coleman Day Camp 2024」にてネスレがキャンプ飯ワークショップを実施!
6/15・16開催のキャンプイベント「The Coleman Day Camp 2024」にてネスレがキャンプ飯ワークショップを実施!
バイクブロス
千葉の地獄渋滞ポイント「勝田台」いつ変わる!? 国道296号「八千代バイパス」工事進行中「放置状態の広い道路」はいつ日の目を見るのか
千葉の地獄渋滞ポイント「勝田台」いつ変わる!? 国道296号「八千代バイパス」工事進行中「放置状態の広い道路」はいつ日の目を見るのか
くるまのニュース
2024年F1第8戦モナコGP決勝トップ10ドライバーコメント(2)
2024年F1第8戦モナコGP決勝トップ10ドライバーコメント(2)
AUTOSPORT web
2024年F1第8戦モナコGP決勝トップ10ドライバーコメント(1)
2024年F1第8戦モナコGP決勝トップ10ドライバーコメント(1)
AUTOSPORT web
クルマの旅に連れて行きたい! クールなリモワの最新スーツケース【新着ドライブコーデ】
クルマの旅に連れて行きたい! クールなリモワの最新スーツケース【新着ドライブコーデ】
くるくら
日産の「リーフ“クーペ”」実車公開!? ド迫力ボディはもはや「和製スーパーカー」! 300馬力超え&総重量1220kgの「NISMO RC」登場
日産の「リーフ“クーペ”」実車公開!? ド迫力ボディはもはや「和製スーパーカー」! 300馬力超え&総重量1220kgの「NISMO RC」登場
くるまのニュース
日産が新型「エクストレイル」と90周年記念車を発売! さらにプレミアムなSUVへ
日産が新型「エクストレイル」と90周年記念車を発売! さらにプレミアムなSUVへ
バイクのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

469.4512.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

219.8469.6万円

中古車を検索
e-208の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

469.4512.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

219.8469.6万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村